社会人が学習時間50時間で診療情報管理士に一発合格する勉強法

資格

2021年2月の診療情報管理士に合格しました。
93期生として、2018年7月から2020年7月まで通信教育課程を受講していました。

特に、通信教育課程を卒業した完全独学・社会人の皆さん、こんな悩みにぶつかっていませんか?

  • 試験の過去問が公開されていない
  • 出題範囲が広すぎて、どこから手を付けていいかわからない
  • 科目試験の問題は、試験後に見直せない
  • 誰も試験の傾向や合格のコツを教えてくれない

この記事では、社会人・独学・病院勤務ではないという合格要素ゼロの状態から、50時間の勉強時間で一発合格するまでの勉強方法をまとめています。
結果的には、これまで取得してきた資格での勉強方法がそのまま応用できました。

働きながらも自分の時間を使って勉強し、合格を目指している方のお役に立てれば幸いです。

注意事項

あくまでも、試験に合格することを目的に勉強をしています。
また、なるだけ最小限の学習時間で合格することも目標にしていました。

もっと丁寧に学習しないと意味がない・資格があるだけで実業務に使える知識になるのか…等々、重々承知しております。
個人的には、細かい知識は実業務の中で補われていく・まずは合格して形にすることが大事だと思っているので大目に見てください。

受験のきっかけ

受験のきっかけ・動機・モチベーションの維持については、別記事でまとめます。

私のスペック

  • システム会社に勤める会社員
  • 病院での勤務経験はありません。
  • 職種はマーケターです。
  • お客様は病院・介護事業所です。
  • 普段診療情報管理や医療事務に関する業務を行っているわけではありません。
    「19床以下は、病院じゃなくてクリニックになるんだ」「今年の診療報酬改定は大変だ」という会話ができる程度のレベルだとお考え下さい。
  • 職種柄、診療報酬改定・介護保険改定はウォッチしています。
  • 文系大学卒業です。専攻は、全く社会保障や医療系には関係ありません。
  • 学習癖があります。勉強は好きです。たえず何か勉強することを探しています。突発的な衝動で勉強を始めるため、モチベーションは長続きしません。いくつか国家資格を持っていますが、すべて短期集中型で取得しています。

勉強時間

  • 総学習時間:約50時間   ※机に座っていた時間
  • 開始時期:2020年12月中旬
  • 勉強するのは土日祝のみ
  • 1回2-3時間程度  ※さすがに直前10日間ぐらいは平日も教科書を開いたかも。

スケジュール

2020年12月:20時間 2時間/1回×10日
2021年1月:20時間 2時間/1回×10日
2021年2月:10時間 2時間/1回×5日

学習の流れ

やみくもに勉強すると、まんべんなく出題範囲をさらえません。どうやって出題範囲の学習を終わらせるか、合格できるように持っていくかを最初に考えることが大切です。

1.自分の強み・弱みを明らかにする。

出題範囲における強み・弱みの把握が最も大切です。
私はどの試験を受験するときも、必ず一番最初にこの把握をしています。

  • 強み:勉強しなくても60%以上は正解できる分野
  • 弱み:勉強しないと全く回答できない分野

私の場合はこんな感じでした。

強み

  • 医療保険・介護保険の制度
  • 診療報酬・介護報酬の制度理解・改正の流れ
  • 病院経営・病院内組織
  • 医療の質と安全
  • 病院における情報システム全般
  • 一般的な経営理論、情報システム、セキュリティ

弱み

  • 基礎分野全般
  • 診療情報管理士の法律・制度・ルール全般
  • 診療情報管理士の実業務
  • 疾患分類

私の場合は、「基礎分野」と「診療情報管理士業務と疾患分類」はしっかり勉強する必要があります。逆に言えば、「強みの部分は一生懸命勉強しない」と決めることもできます。

2.情報収集をする

過去に診療情報管理士試験を受験している方のブログをいくつか読みました。
診療情報管理士試験を独学で受ける際に最もつらいのが、「試験の情報がなさすぎる」です。

過去問もなければ、雰囲気もわからない。対策の立てようがありません。

逆にいうと、ここが学生や病院勤務で受験経験者が周りにいる方の強みとも言えます。そういった方は、ぜひ直接、出題傾向やどんな問題が出たかという情報を教えてもらったほうが良いです。

独学受験の私は、それを補うために過去の受験生のブログを参照しました。

当日の試験内容は受験ルールによって詳細を明らかにできませんが、傾向としてつかめたものがありました。

  • 基礎分野は、おおまかにどんな疾患なのかがわかっていれば良い。
    (重箱の隅をつつくような問題は出てこない。)
  • 専門分野は、細かいところを突いてくる。
  • 分類法は牽引表の持ち込みが禁止されたため、大分類・メジャーな疾患の分類を問われることが多い。

3.やることやらないことを決める

これは後々詳しく書きます。勉強時間が限られる社会人にとって、「やらないことを決める」ことで勉強時間を最大限活用できるようになります。

私の場合は、自分の弱み・強み・情報収集結果をもとに、下記3つは絶対にしないと決めました。
(間に合わないというのが正直なところではありましたが。。)

  • 教科書を丁寧に読み直す
  • 基礎分野の細かい疾患や分類を覚える
  • 分類法・牽引表の細かい分類や使い方を覚える

4.学習スケジュールを作る

当初、2020年10月開始・総学習時間100時間で計画を作っていました。
12月になって全く進んでいない学習スケジュールに焦って、組みなおしたスケジュールがこちらです。

  • 2020年12月:基礎分野
  • 2021年1月:専門分野・分類法
  • 2021年2月:全体おさらい

我ながらざっくり過ぎる。振り返ると、分類法を一番最初に学習しておけば基礎分野とリンクする部分を効率よく学習できたのではと後悔しています。ざっくり分類法上の大分類→中分類の流れがわかった状態で、メジャーな疾患の詳細を抑える感じといいますか。

もし、もう一度学習スケジュールを立てるならば「分類法」から学習します。

勉強方法

やったこと

  • 教科書は一回だけ、パラパラッと読む
    細かな用語は覚えず、どの疾患がメジャーで記述が多いのかを把握する。 
  • とにかく期末レポート問題を何度も解く
    何度も何度も完璧になるまで解きました。
    専門分野・分類法に関しては、期末レポートの問題で出来が良くない章のみリポート問題集を解きました。
  • 期末レポートの問題で間違えた問題をまとめる
    なぜ間違えたのか・なぜ正解だったのかを理解できるように、回答にある解説を読み自分なりにまとめました。
  • わからないところだけ、教科書を見返す
    特に基礎分野は、問題文中のわからない用語・疾患は必ず教科書を見返して覚えました。
  • ICD-10の分類をひたすら覚える
    大分類は完璧に覚えました。また、各大分類のはじめにその分類の注意点は必ず読んでください。教科書でもいいですし、内容例示表でもいいです。

やらなかったこと

  • 教科書の内容をまとめる
    膨大な時間がかかる割に、記憶に残らないためやめました。
  • 教科書の熟読
    読むだけでは覚えられません。特に基礎分野は「医者になるわけじゃないんだから」と割り切って、分類をするために・退院サマリを読むために必要な疾患知識はどれだろうか?という視点の流し読みで十分です。
  • 通信教育動画の複数回視聴
  • リポート問題集の深追い
    特に基礎分野のリポート問題集は、問題がマニアックすぎるのではないか、、、と思い完全に諦めました。

使用した教材

通信教育課程で配布されたオフィシャル教材のみ

おわりに

今回は、50時間の勉強時間で一発合格するまでの勉強方法をご紹介しました。「情報が無さすぎる…!」と絶望している独学・社会人受験生のお役に立てば幸いです。

学生と違うのは、何らかの社会人経験・実務知識があるということです。
実務で培った知識は、学習で得た知識と違って深みがあって使えるものです。せっかくなら、ご自身の社会人経験・実務知識を活かした試験対策につながればいいなぁと思っています。

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